節分≠デビルメイクライ ~鹿教湯の季節のお祭り~
はやくも1月も終わりに差し掛かっています。
年末のバタバタから正月の目が回るような新年会、仕事始め、東京出張から結婚式と、新年早々、ビデオの早送りのごとく過ごした一ヶ月でしたが、 金欠に苦しみながらもなんとか走り抜きました。
そして、迎えるは2月。
年間で唯一28日にしかなかったり、と思えば突然29日になったりして会計を悩ませたり、一番寒い時期なのに立春とか訳のわからないことを言い出すし、地方によってはこの寒いのにマラソン大会があって児童をこの上なく虐めるし。
うん。多分僕は2月あんまり好きじゃない。
主に積み重なったトラウマ的な意味で。
まあ、いろんなイベントがあって楽しい時期ではあるけどねー。
ただ、マラソン大会はもっと暖かい時期にやれ尼崎の小学校。
さてイベントの話が出ましたが、2月のイベントの入り口といえば、
「節分」ですね。
先程書いた立春の前日の2月3日。
つまり「季節の分かれ目」ということでこの名前がついたとかなんとか。
「鬼は外、福は内」と言う掛け声で豆を撒くのが有名ですが、地方によっては
「鬼は内、福も内」と言ったり、豆の代わりに「落花生」を投げるそうです。
伝統行事っていうのは、地域によってそれぞれの文化があって面白いですよね。
ちなみに昔は大晦日にやる宮中の儀式だったようで、「追儺」とか「鬼やらい」と呼ばれる鬼祓いの儀式だったそうです。
昔は鬼祓いに関しては本気も本気だったようで、豆の代わりに「矢」が飛んできます。
演じている鬼役の人の必死さが伝わります。
豆まきに変わって本当に良かった……。
でも、考えてみればこの伝統行事、世界の名だたる奇祭に負けないくらい、変てこなお祭りな気がします。
鬼退治に豆を撒くこともさることながら、
巻き寿司を同じ向き(恵方)に咥えたり、
玄関に鰯の頭を柊にぶっ刺したり。
(これ、もう水木しげる先生か、ラブクラフトの世界観だよね)(※1)
容赦なくトラップまで仕掛けてまで鬼を払うこの祭り。
節分なんていう季節感ある名前より、
「和風デビルメイクライ」とか
「アタック・オブザ・キラービーンズ」とかの方が似合ってるんじゃないか?(※2)
この10日後にバレンタインというポップなイベントがあるとは信じられないくらいです。
まあ、バレンタインも元々はぜんぜん違う記念日ですし、女性から男性にチョコレートを渡す習慣は「日本型バレンタインデー」というべきなのかもしれません。
鹿教湯温泉文殊堂 節分会
さてそんな節分ですが、この鹿教湯でもイベントとして豆まきが行われます。
時間は2月3日の14時30分から。
内容は良くも悪くもシンプル。
文殊堂の社内に立っている人達が、参拝している方々に向かって豆やら団子やらみかんやらを投げまくる。
家を立てた時にやる「投げ餅」に似てますよね。
または、スポーツ選手がファンサービスにサインボールを投げるようなものか。
(というか、みかん投げるって結構危なくない?)
行事ゆえに観光向けのイベントとは言い難いのですが、今年の2月3日は土曜日ですし、観光名所の文殊堂で行われますから、そこを含めて一見の価値があると思います。
ただ考えてみると、参加者は豆を撒かれる側なんですね。
これには鬼いさんもびっくり。
節分って、子供の居ない家とか自分一人ではあんまりやることもなくなってきましたし、こういう機会にみんなで地域の節分に参加してみるのもいいんじゃないでしょうか?
鹿教湯温泉 西内 道祖神まつり
地域の行事といえば、先日鹿教湯温泉周辺の道祖神まつりを見学させて頂きました。
あくまで体験記ですので、手短に書こうと思います。
道祖神というのは道ばたの石像に祀られている、外から来る魔・災いを遮り防いで安全を守る神様。
まあ、簡単に言えば守り神ですね。
よく下のような石を目にすることもあるかと思います。
行事の内容は、「子どもたちが獅子舞と太鼓を持って地域内の家を練り歩き、その家の健康を祈願する」というシンプルなもの。
訪問型の節分みたいなものといえば分かりやすいでしょうか。
今回は「鹿教湯温泉」とその隣りにある「西内」地区の道祖神に参加してきました。
朝早くから獅子舞の頭につける折り紙を切り、健康を祈る御札を作ってくれています。
こうやって地域の子供全体で行事に取り組むというの田舎だからこそできることなのかもしれません。
ちょっとユニークなのは、道祖神を祈願した後、訪問先のお家ごとにちゃっかりお菓子をいただけるところ(地区によって異なります)。
ああ、節分じゃなくてハロウィンだったんですね。
まあそれくらいの報酬がなかったら、子供だってやってらんねーな話です。
というわけで、今回はちょっと観光から離れた、地域の行事についての記事でした。
一般の方が参加することは中々できないですけども、こんな風に地域一帯で行事にあたるところが魅力的なところ。
都会の良さあれば田舎の良さあり。
地域の行事を見かけた時は、参加しないまでも、微笑ましく眺めてあげるのもいいかもしれません。
比較的どうでもいい注釈たち
※1 H.P.ラブクラフト
アメリカの小説家。主にSF的なホラー小説を書いていることで有名。
日本ではあまり馴染みのない人だけど、この人が書いた小説を元に「クトゥルフ神話」というジャンルが作られ、カルト的なファン(狂信者)が存在している。
小説の内容はSAN値(正気度)がガンガン削られるものばかりで、難解かつ理不尽。
派生されたゲームや漫画でも、いかんなくその要素は取り入れられ、おもに初見殺しで有名である。いあいあ!
※2アタック・オブ・ザ・キラートマト
凶暴化したトマトが襲いかかってくる、というシュールの極地なホラー映画。
簡潔に言えば人類VSトマト。
2作目に若きジョージ・クルーニーが出演しているが、本人は出演したことをひた隠しにしている。
パッケージのイラストは好き。
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