鹿教湯に住むってこと その3
『君の名は』
面白いですねー。周り皆、カップルだらけですけど。
僕もあんな素敵な恋愛がしたいものです。
「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!」
あ、ごめん。
うち、君の町と同じくらい田舎だわ。
本音はさておき、更新が遅れて申し訳ございません。
1週間ほど、大阪やら名古屋やら、富山、石川と狭い範囲でグルグルと回っていたものですから。もちろん仕事ですよ。
まだ来て2カ月だというのに、気づけば鹿教湯が恋しくなるほど溶け込んできたようです。
住むってこと(どうした、どうしているか)
初めての土地。初めて会う人。初めてのルール。
最初は出会いの連続でした。
あれ? スーパーがないよ?
燃えるごみは月・木で。
あの人が斎藤さんで、あの人が斎藤さん。そしてあの人が斎藤さん。
覚えらんねぇ。特に最後のは、マジにわかんねぇ。
※鹿教湯周辺は斎藤さんがとにかく多い
それでも生活するには、それらをすべて覚える必要があります。
市の上司も、そこら辺は理解していて下さり、
最初の仕事は地域の方々に挨拶し、イベントに参加する程度でした。
ありがたいことに、「地域おこし協力隊」という肩書は珍しく映るらしく、
また、関西人、25歳の値札を下げていたので、
わりと地域の方のほうから話しかけていただき、早く打ち解けることができました。
野菜 大富豪
鹿教湯に限ったことではないですが、こちらの方々は多くの人が家庭に畑を持っています。
育てるものは、ピーマン、トマト、ブドウにホオズキ(食用)、蜂蜜のような加工品などそれぞれで、中には町の直売所である「あさつゆ」に出品されるものもあります。
畑によって差はありますが、これがまた大きく、おいしい。しかも安い!
(あさつゆは普段丸子の中心にありますが、日曜日だけ鹿教湯に市場を開いてくれます)
(ナガノパープルは種なしで皮ごと食べられる! デザートの強い味方だ!)
大阪のスーパーで200円以上のものが、こちらでは100円、しかもサイズも量も倍。
なんてことが結構あります。
これはかなりのカルチャーショックでした。
(白いカボチャ。めちゃくちゃ大きく、そして硬い)
さらにうれしいことに、僕は一緒に働かせていただいている方より、大量に野菜をいただくこともあります。
箱いっぱいの茄子とキュウリとトマトとジャガイモと。
前の仕事の初任給よりもテンションが上がります。
調理器具をそろえた今、毎日どんな料理に使うか夜が楽しみという幸せがありますね。
(キュウリは日持ちしないので、けちけちしません)
(野菜カレーは基本)
(先ほどのカボチャ。普通のカボチャより質感があるマッシュになります)
(パンをくりぬき、かぼちゃと卵とベーコンを詰めます)
簿給な僕ですが、地域の方々との交流を通じて、食費をかなり抑えれるため、なんとかやっていけるわけです。
歩けば当たる、話しすぎるとボロが出る
鹿教湯に知人が増えてきて、前に住んでいたところと一番変わったなぁー、と思うところが、「人と話す機会の多さ」です。
何せ鹿教湯は上田市の端っこに位置する、松本への道を少し曲がった僻地です。
しかも旅館が多く、商店も温泉街中心地に密集するわけですから、歩けば誰かに声をかけられることもあるわけです。
「最近どう?」
「こっちには慣れた?」
何の変哲もない日常会話ですが、大きな町の住宅街ではこういう機会もめったにありません。
そこから仕事の話や、飲みの約束をするわけですが、地元トークでは敵うはずがありませんので、聞き役が基本です。
地域の活性化というのは、いまいち具体的でなく、何をすればいいか分かりませんが、僕のようなよそ者が、地域の人と楽しく将来について語り合えるというのは、
町が元気になろうとしているってことじゃないでしょうか?
仕事と私生活は切り分けない。
仕事と私生活をはっきりさせて、スムーズに仕事ができる人がいます。
僕はこの仕事観にシンプルにかっこよさを感じます。
仕事の手際良く終わらせて、家に帰ればキチンと家族を大切にする。
「できる男」の見本と言える生活ですが、残念ながら今の僕にはどうも不向きな価値観なようです。
なぜならば、僕の仕事はとにかく多彩で、
会議室で打ち合わせをしている日もあれば、飲み屋で自由に討論することもあり、
お祭りの司会者をしていたら、気づけば屋台を回ったり手伝ったりしていることもあるわけで、
「あれ? 普通に遊んでるけど、これ仕事?」
なんてこと考えながら、今も昼間からブログを書いてるわけです。
考えてみると、仕事と私生活の切り分けは、生活する上では大切で精神的にも豊かなやり方な気がしますが、それはあくまで個人のタイムテーブルなわけで、
誰かと一緒に行動するには、なかなか融通の効かないものかもしれません。
もちろん、それも踏まえて時間の割り振りをできる人もいますが、
その型だけ真似して、逆にやることが制限されるのでは、ちょっと退屈な生き方な気がしますね。
まあ、僕のように混在してしまうのも、どうかと思いますが、
「地域おこし協力隊」「鹿教湯」の二束のわらじは、
それぞれサイズも同じで、結構デザインも気に入っているんです。
長々と失礼いたしました。
僕は鹿教湯で暮らすという選択をいたしましたが、
その気持ちも、また変わっていくと思いますし、
読んでいただいた方はまた別の価値観を求めていらっしゃるかと思います。
都会、田舎、仕事、家族。
いろんなものを求めて、あなたのよりよい場所が見つかりますよう願っております。
それでは最後に、
「来世はシンプルにイケメン男子にしてくださーい! 」
では!