上田にできた小劇場 「犀の角」
前にも書きましたが、
僕は大学時代、ずっと演劇を勉強していました。
近畿大学の舞台芸術専攻という学校の授業としてやっていたので、
劇団に入っている、というほどのものではないですし、
将来、俳優や劇作家を目指そうという訳ではなかったんですけどね。
しかし、そんな少し変わったキャンパスライフを送ったおかげで(せいで?)、
今でも劇場や演劇に多少の興味を持つようになりました。
以前上田市にある大きな劇場として、「信州国際音楽村」と「サントミューゼ」を紹介いたしましたが、今回はもっと身近な小劇場。
上田市中心街にある、海野町商店街にオープンした、
「犀の角」のご紹介をさせていただきます。
上田市街でも観光客などの人通りが多い海野町商店街。
飲食店や雑貨屋に交じって、結構分かりやすく構えています。
僕のイメージの小劇場って、裏通りやビルの地下、狭く機材の搬入もしづらいフロアにあるイメージだったので、こんな明るくお洒落な感じの建物なのは驚きました。
中は結構開放感があり、袖にあるキッチンスペース、商店街に面した大きな窓が、
ロハスで、かなり明るい印象を与えます。
劇場は照明の関係で、割と暗い場所のイメージがあるのですが、ちゃんと遮光すれば問題ないですからね。
今後、ゲストハウスも併設する予定だそうで、遠方からの出演者、お客様にもうれしい施設となっていくでしょう。
「第0回うえだ街中演劇祭」 「走れメロス」を見て
その犀の角で演劇を観賞してきました。
実はこのイベントは、先週の日曜日に終了してしまっています。
9月17日(日)~10月16日(日)の期間中、毎週異なる芝居を行うという企画でした。
僕もこの企画を知ったのが先週の水曜日だったので、
結果、最終日の芝居である、百景社さまの「走れメロス」を観賞することにしました。
内容は――ネタバレはしてはいけませんので、詳しくは書きませんが――太宰治の走れメロスです。
といっても、一人芝居ですので、登場人物はみんな一人で演じます。
メロス、セリヌンティウス、王ディオニス、山賊とか他いっぱい。
忙しく、とにかく駆け回っている芝居でした。
比喩表現ではありません。
とにかく駆け回ります。
途中で劇場を飛び出し、商店街を駆け回ります。
メロスの衣装はギリシャ人みたいな恰好です。
商店街を駆け回ります。
最後メロスは裸になります。
商店街を駆け回ります。
劇場の窓から、メロスの走っている姿が見れるようになっているのですが、
先ほども言った通り、海野町商店街は観光客も含め人通りがいいんです。
道行く人々は二度見するか、それとも関わらないよう目を背けるか、向かいの商店の人がこっちを覗いたり、小さな女の子が目を丸くしていたり。
通行人が本当にいいタイミングで現れるんですよ。
(ちゃんと商店街の許可を取っていたそうです)
いかついことやるなぁー、と素直に関心しました。
かなり度胸いることですもんね。
今度、演劇やってる友達に教えてやろうと思います。
地方都市で演劇をつくること (シンポジウム)
走れメロスを観賞した後、その演出家さんも含めましてシンポジウムが行われました。
パネラーの方々は、それぞれ演劇や芸術方面でいろんな活動をなされている人たちです。
それぞれの演劇の手法、考え方、アイデア。
それをどのようにして地域という小さな場所に落とし込めるか。
個人的には、「地域内の各所で芝居の一部分を行っていき、ロケめぐりのように、出演者とお客さんが町を巡りながら芝居を見る」というのが、非常に魅力的に感じました。
つまり映画のように、喧嘩のシーンは河川敷に移動して、愛の告白シーンは大きな木の下で、稲刈りのシーンは田んぼで行ったりするわけです。
中々、面白い企画だと思いませんか?
これを観光地巡りに合わせると、一つのツアーになりそうですもんね。
大変参考になる、創作意欲がビンビン刺激されたシンポジウムでした。
今回の「犀の角」は上田市中心街。
つまり丸子担当である僕の管轄ではありません。
しかし、演劇を一度は志した者として、地元の劇団、劇場は応援したいのです。
仕事かプライベートか、どっちの方でお付き合いしていくかは分かりませんが、
今後も、ぜひとも面白いものを提供し提供される関係でありたいですね!
では。
同時進行で、鹿教湯の風景写真をUPしております。
興味がございましたら、こちらもご覧ください。
marukochikiokoshi.hatenablog.com