~TRPGってんなんぞ? という方に~ レンタル対応します
夏ももう終わり。
最近は急に涼しくなって、寝る際には冷房もいらず過ごしやすい季節になってきています。
今年の夏は、とにかく天気に悩まされました。
夕方ごろになると急激に吹き荒れ、ところによっては雹も降ったダウンバースト。
大型で危険危険と言われていたくせに、暴風よりもフェーン現象の方が取り上げられていた気がする台風10号。
まあ何にせよ、天気による被害が出ないことが一番ですが、
お盆のころに合わせて天気が悪くなったもんだから、
休みをレジャーで楽しみたいと思っていた人たちには気の毒な話です。
私も今年の夏はいろんな意味で慌ただしかった。
起業に、イベントに、新しい仕事に。
デザインの仕事もいくつかありましたし、ブログの設定を変えたり、
平凡な1日というのはまるでなかった気がします。
そのため、というわけではありませんが、
今回のブログの更新が遅れてしまったことは誠に申し訳ない。
さて、突然ですが私はゲーム好きです。
子供のころお正月には人生ゲームを家族でやっていましたし、
学校を休んでこっそりゲームをやっていたところ、親にゲーム機を取り上げられたこともあります。
なにせ自分で鹿教湯温泉という場所にボードゲームスペースを作ったり、
無料の貸し出しをやったり、挙句の果てには温泉街オリジナルのゲームを作ったりしたわけですから、
ここに関しては自他ともに認めると言い切ってもよいでしょう。
当然アナログゲームだけでなくパソコンやテレビを使った、いわゆるデジタルなゲームも好きですし、
戦略性のあるスポーツも(得意ではないが)好きですから、
基本的に遊ぶことが好きなんですね。
そんなゲームに関してですが、
去年から鹿教湯温泉の観光協会にてボードゲームの無料貸し出しが始まりました。
この夏休みではお泊りのファミリーの方や、合宿中の子供たちに利用してもらったようで、そこそこの大人気。
どうにか宝の持ち腐れにはなっていないようです。
そんな中、ボードゲームの陰に隠れてひっそりとレンタルしている商品がございます。
この分厚い本です。
その厚みたるや、学研の図鑑くらい。
これもボードゲームなの?
と、疑問に思われる方もいるやもしれません。
この本はTRPGというゲームのルールブックです。
おそらくほとんどの方が聞きなれない言葉であると思います。
ですが、実は近年動画サイトの影響で徐々に認知を増やしており、以外にもTwitterなどのSNSではかなりのプレイヤーがいることが確認されています。
そのため今回は、TRPGとはどういうものか?
ということを多少私の考え方も含めて紹介できたらと思います。
全くTRPGを知らない、
興味があるけどやったことはない、
熟練プレイヤーだけど暇つぶしに見てやるか、といった方々に読んでいただき、
TRPG人気の上昇に貢献するのが私の目的です。
あとついでに鹿教湯温泉のレンタルが加速すればラッキーって感じです。
※以下の内容は以前別のブログで掲載したものを修正し再UPしたものです。
TRPGとは?
さて、「TRPG」とは。
アルファベット表記だとなんかアメリカ軍の兵器みたいですね。
分かりづらいので頭の「T」をいったん置いておきましょう。
そうすると知っている単語になるのではないでしょうか?
はい、「RPG」になりました。
これは誰でも知っている単語でしょう。
RPG、つまりロールプレイングゲーム。
人と話をすることで情報を得て、敵を倒したり、宝を手に入れたりする、
ゲームのジャンルの一つです。
「ドラゴンクエスト」やら「ファイナルファンタジー」とかですかね。
RPGの歴史は非常に古く、書き出したらきりがありませんので、今回は割愛しますが、
職業訓練や精神医学の臨床における会話、つまりロールプレイングが語源だそうです。
さあ、それでは置いておいた「T」を拾いましょう。
この「T」は「テーブルトーク」の略です。
名前の通り、机の上で話をするという意味。
普段のおしゃべりということですね。
さて、説明が済んだところで、合体させます。
「T」と「RPG」で「TRPG」
「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム」
つまり「机の上で言葉を使い、ストーリーを展開させ遊ぶゲーム」ということです。
TRPGには物語を回すゲームマスター(GMまたはKP等)と
物語に参加するプレイヤー(PL)に分かれて遊ぶことになります。
ちょっと例としてゲームの内容を書いてみましょう。
〝ここは中世のヨーロッパ。
とあるさびれた村だと思ってください。
ここに訪れたあなた達は、ぼろぼろの小屋を調べようとしています″
GM「あの扉を開くには鍵が必要だ」
PL「鍵はどこにありますか?」
GM「村の長老が知っているかもしれません。長老の家に入りますか?」
PL「入ります」
といった具合に、PLがキャラクターになりきり、会話をして話を進めるんですね。
まさに言葉だけでやり取りされるロールプレイングゲームなわけです。
ちょっとくどい説明になりましたが、
テーブルトークと同じく、ただ言葉だけでルールやゲームの内容を伝えるのは難しいものなので、勘弁ください。
TRPGのルール (会話編)
TRPGには様々な種類があり、
剣や魔法の冒険、SF世界で仲間を裏切ったり、忍者になって悪と戦う、
悪魔のTVの出演者になって視聴率を稼いだり、ヒーローになったり、
とにかく様々。
もちろん、それぞれきちんとルールが決められていて、
たいていの場合、書籍やボードゲームになって販売されています。
(モノによりますが、ちょっと値の張るものもあったりします)
忍術バトルRPGシノビガミ基本ルールブック (Role&Roll RPGシリーズ)
- 作者: 河嶋陶一朗,冒険企画局,七原しえ
- 出版社/メーカー: 新紀元社
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 26回
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ダブルクロス The 3rd Edition ルールブック 1 (富士見ドラゴンブック)
- 作者: 矢野俊策,F.E.A.R.
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/04/30
- メディア: Kindle版
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ルールブック、通称ルルブと呼ばれるこの本には、
PLが使うキャラクターの作り方、
PLの行動方法、
ゲームの目的などが詳細に書かれています。
しかし基本的にはPLとGMのアドリブによる会話で進んでいくので、
行動の自由度に関してはコンピューターゲームをはるかに凌駕します。
その時の会話によっては話の展開も大きく変わります。
ちょっとアドリブの例を見てみましょうか。
GM1「長老は言った。『お前のような男に鍵はやれん!』」
PL1「脅すように言います。『鍵をやらんと尻の穴に指突っ込んで、奥歯がたがた言わせてやる』」
GM1「『ふん、相手になってやる!』長老は剣を抜きました。戦闘です」
PL1「『俺の剣技に勝てるかな!』と言ってこちらも剣を抜きます」
という感じで、長老とバトルになる展開になるかもしれません。
しかしGMによっては、
GM2「長老は言った。『お前のような男に鍵はやれん!』」
PL2「脅すように言います。『鍵をやらんと尻の穴に指突っ込んで、奥歯がたがた言わせてやる』」
GM2「『望むところだ』そう言って長老はズボンを下ろしました。さあ、あなたはどうしますか?」
PL2「えっ!?」
GM2「どうしますか?」
……………。
GM2「二人は堅いキズナで結ばれ、あなたは鍵を手に入れました」
PL2「何か、大変なものを失った気がする……」
…………。
上の例では、GMが異なった対応をすることで、バトル物の展開だったものが、コメディに変わってしまいました。
ロールプレイングは参加者のアドリブや好き嫌いで変わるため、予想している反応が返ってくるとは限りません。
GMによってはシリアスにもコメディにも変わるわけです。
もちろんPL側でも会話は大切。
GM3「長老は言った。『お前のような男に鍵はやれん!』」
PL3「『そうですか仕方ありません。では娘さんをいただいていきます』と言って裸になります」
GM3「えっ!?」
PL3「『さあ、どちらか選ぶんだな長老。ふっふっふっふっ……』」
GM3「『くっ! 鬼畜め……。鍵はやろう』」
PL3「『よしゃー!』」
この自由度は「はい」か「いいえ」だけで答えるテレビゲームとは大きな違いですね。
こういう風に自由に自分たちのストーリーを組み立てられるところが、
TRPGの一番面白い部分でしょうね。
当然システムが組まれているわけでもありませんので、GMやPLのやり方によってはエンディングも違ったものになるでしょう。
もちろん、 人によってはアドリブというのは中々難しく感じられると思う方もいらっしゃると思います。
そういう時は、ちゃんとGMが「こうしたらどう?」「あなたはこう考えるだろうね」とアドバイスをくれるので、きちんと楽しむことができますよ。
TRPGのルール (キャラクター編)
さて、上のやり取りなどを見ていただきすでにお分かりでしょうが、
基本的にPLは、そのTRPGの世界のキャラクターになって話を進めます。
つまり、魔法がある世界では魔法使いになれるし、
忍者が主体の世界では、PLも忍者になる。
逆に、現実的な世界観では、我々のような平凡な人間になったりするわけですね。
こういったキャラクターの創造方法は、ルルブに記載されています。
そしてキャラクターシートと呼ばれる紙に、キャラクターのプロフィールを書き込んで作っていくのです。
上の履歴書みたいなものが、キャラクターシートです。
これは私のよく遊ぶ「クトゥルフ神話TRPG」というルルブのもので、
他のTRPGでは「必殺技」や「レベル」等、
そのTRPG独自のパラメーターが記載されたものがあったりします。
キャラクターの作り方は、
大体のものはサイコロを使ってランダムに能力を決め、
その能力からキャラクターのプロフィールを想像することが多いです。
当然サイコロの出目によっては能力の高い低いがランダムに変わるため、
サイコロの結果、力はモリモリあるけど、頭はてんでダメ。
ならば、仕事は力仕事だろう。
あっ、結構イケメンになった! イケメンスポーツマンなんてどうかな?
だったら自分の好きなラグビーの選手にしよう。
年齢は20歳で、給料は年収500万か。
まだ新人なんだなー。
という風に、サイコロの結果を自分で理屈立てて、そのキャラクター像を明確にしていくわけです。
もちろん顔がダメでも「アイドル」になったり、
頭が悪いのに「政治家」になることもできます。
ただ、そのキャラクターの説明はちょっと特殊なものになるでしょう。
上記の例なら、「顔は悪いが愛想がよく、ファンサービスができるアイドル」や「世の中全部金。裏金大好き悪徳政治家」ってな感じでしょうか。
さらに、会話の内容も、キャラクターによってまるで異なります。
殺人事件があったとして、あなたが疑われた時、
イケメンスポーツマンならば「警察から走って逃げ、ファンの女の子に匿ってもらう」
悪徳政治家ならば、「金を掴ませ黙らせる」
アイドルならば「ぶりっこで警察を言いくるめる」
と、それぞれのキャラクター固有の選択肢があるわけです。
そのキャラクターならどうするか?
デジタルでは不可能な、自由性の高いストーリーを体験できることになりますね。
また、その職種などの知識を持っていれば、よりリアリティのある会話ができるでしょう。
こういった演技ができない人は、当然自分自身を投影したキャラクターを作るのがおススメです。
会話も自分の考えをそのまま喋ることができるので簡単ですしね。
しかも、自分がそのゲームの世界いることを肌で感じることができるので、より臨場感のある楽しみ方ができるといえるでしょう。
TRPGのルール (サイコロ編)
TRPGでは様々なサイコロを使うことがあります。
一般的なのはこの6面体ダイス。
コロコロ サイコロ [ 小 ]幼稚園 夏祭り 景品 子供会 縁日
- ジャンル: おもちゃ・ホビー・ゲーム > パーティー・イベント用品・販促品 > パーティー・イベント用品 > その他
- ショップ: お祭り問屋の岸ゴム
- 価格: 1,270円
このダイスの使用頻度は最も高いでしょう。
他にも下のような、サイコロ達。
中には100の数字が刻まれた、100面体サイコロなんてのもあるそうです。
ルールブックをしっかり読んで、対応したサイコロを買いましょう。
さあ、様々なサイコロがあって目移りしそうですが、
具体的に何に使うのかというと
キャラクターの作成からストーリーの展開すべてに使用します。
TRPGではキャラクターの行動に対し、
サイコロによってその行動の成否が左右されてしまうのです。
現実の世界でも、ふと気を抜いて失敗したり、以外なことを覚えていたり、
サイコロの確立のようにランダムな時がありますよね。
それと同じです。
TRPGによってそれぞれルールは異なりますが、
例えば、
PL「長老に剣を振り下ろすぜ!」
GM「あなたの攻撃力と、長老の防御力を計算して――。OK。ダイスで6以上出せば成功だ」
PL「よっしゃ! コロコロ。 3! 失敗したぜ」
GM「OK。長老は軽やかに君の剣を躱した」10
PL「ちくしょー」
という風に、行動の成功をサイコロで決めていきます。
戦闘や日常で様々な場面でサイコロを振り、それによっては、致命的な大失敗になったり、奇跡的な成功をしたりしてストーリーを盛り上げるのです。
TRPGのシナリオ
TRPGはRPGと同じくストーリーがあり、ゲームをクリアする目的があります。
これらはしっかりとシナリオが決められているものから、
フェイズだけが決まっていて、中身はGMとPLで考えるものがあります。
魔法世界ならば魔王を倒す、ミステリーならば殺人事件の解決など、それぞれの作品に目的があるのは、小説や漫画でも同じですよね。
これらをGMはしっかりと覚えておいて、ストーリーが横道に逸れ過ぎないよう、軌道修正しながらトークするわけです。
逆にPLも、あまりに的外れなことばかりしていたら、ゴールにはたどり着けないでしょう。
このようなシナリオは市販されているものもあれば、自分で作って楽しんでもらうものもあります。
私も時々、難しいシナリオを書いて、友人が苦しんでいるのを見るのが最高に楽しいです。(笑)
そして、できる限りPL達が楽しめるようアドバイスしたり展開を変えてあげる。
GMには「おもてなし」の心が必須条件なんです。
さあ、長々と語ってしまいましたがいかがでしょうか?
TRPGはとても面白い。
想像力や、瞬発力、即興性が鍛えられる訓練とも考えています。
友人の中で演劇をやっていた子は、アドリブが非常に得意でしたし、
音楽好きな子は、とあるミステリーで音楽がトリックになっていることを見抜きました。
自分の個性を生かし、こうやって他者と会話する能力は、仕事面でも会議を円滑にまわしたり、相手の気持ちになって考えたり、人と打ち解けたりと様々な場面で活躍する力です。
固定観念にこだわるもよし。自由に発想するもよし。
このブログを読んでTRPGをやってみたいという方がいれば幸いです。
そして、いつか一緒に遊べるといいですね!
では。
(ブログ内のプレイ例は、様々なTRPGのルールを混ぜております。決して特定作品のルールではございません)
※このブログは以前別ブログで書いた内容を一部修正したものです
ツイッターやってます。興味があればこちらもよろしくお願いします。